これから倉庫業を始めようとお考えの方へ
倉庫業とは、「寄託を受けた物品の倉庫における保管を行う営業」をいいます。
注) 寄託:「物を保管することを約束し、その物を受け取ることによって効力を生じる契約のこと。」
例えば“運送契約に基づく運送途上での一時保管”や“修理等の役務のための保管”などは対象外です。
倉庫業の登録は必要ありません。

倉庫業を始めるための登録が必要な理由
倉庫業は、他人の貴重な物品を預かるという営業倉庫の特性から、国土交通大臣による登録が法律で義務付けられています。
この登録を受けずに営業すると、以下の罰則があります。
罰則:無登録で営業を行うと「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」が科されます。
倉庫の登録要件
登録を受けるためには、以下の3つの基準が定められています。

① 施設設備基準
設備保管する物品に応じた倉庫の「施設設備基準」をクリアした倉庫であること

② 倉庫管理主任者
- 倉庫ごとに一定の要件を備えた倉庫管理主任者を選任すること

③ 欠格要件
- 申請者が欠格要件に該当しないこと
- ①の営業倉庫としての施設設備基準を満足していることが特に重要です。
- 建築確認申請の際、その用途が“倉庫業を営む倉庫”となっていることが前提です。
「施設設備基準」の概要
倉庫業登録に必要な「施設設備基準」の具体的な内容は以下の通りです。
ア. 一般基準
使用権原

申請者は当該倉庫について所有権又は賃借権を有すること
関係法令

各倉庫ごとに関係法令へ適合していること
イ. 倉庫ごとの「施設設備基準」

- 使用権原
- 関係法令適合性
- 土地定着性等
- 外壁、床の強度
- 防水機能
- 防湿性能
- 遮熱性能
- 耐火性能
- 災害防止措置
- 防火区画
- 消火設備
- 防犯措置
- 防鼠措置
- 防護措置
- 防犯措置
- 屋上床強度等
- 水面防護措置
- 流出防止措置
- 土地定着性等
- 周壁底面強度
- 通報設備
- 冷蔵設備
- 温度計等
営業倉庫の種類と保管する物品の種類
倉庫は大きく、「普通倉庫」、「冷蔵倉庫」、「水面倉庫」の3種類に分けられます。
【普通倉庫】
農業、鉱業(金属、原油・天然ガス等)、製造業(食品、繊維、化学工業、紙・パルプ、機械等)といった幅広い産業の様々な貨物に加え、消費者の財産(家財、美術品、骨董品等)も保管します。
法律上の分類による一類、二類、三類、野積、貯蔵そう、危険品倉庫を総称して、普通倉庫と呼んでいます。

倉庫の種類
- 1類倉庫
- 2類倉庫
- 3類倉庫
※施設設備基準
①使用権原
②関係法令適合性
③土地定着性
④外壁、床の強度
⑤防水機能
⑥防湿性能
⑦遮熱性能
⑧耐火性能
⑨災害防止措置
⑩防火区画
⑪消火設備
⑫防犯措置
⑬防鼠措置

倉庫の種類
- 野積倉庫
- 水面倉庫
- 貯蔵槽倉庫
※施設設備基準
①使用権原
②関係法令適合性
―
―
⑤防水機能
―
―
⑧耐火性能
⑨災害防止措置
―
⑪消火設備
⑫防犯措置
⑬防鼠措置
⑭防護措置
⑮防犯措置
⑯屋上床強度等
⑰水面防護措置
⑱流出防止措置
⑲土地定着性等
⑳周壁底面強度
㉑通報設備
㉒冷蔵設備
㉓温度計等

倉庫の種類
- 危険品倉庫
- 冷蔵倉庫
※施設設備基準
①使用権原
②関係法令適合性
③土地定着性等
④外壁、床の強度
⑤防水機能
―
―
―
⑨災害防止措置
⑩防火区画
⑪消火設備
⑫防犯措置
―
⑭防護措置
⑮防犯措置
⑯屋上床強度等
―
―
―
―
㉑通報設備
㉒冷蔵設備
㉓温度計等
倉庫の類別は、倉庫業法施行規則に掲げる施設設備基準の何れに適合するかによって定まるものであり、実際に保管する物品の種類により定まるものではありません。
倉庫に保管する物品の種類は、第1類物品~第8類物品まで定められています。

倉庫業登録申請の流れ

1.事前準備
管轄の運輸局、地方自治体、消防署等と相談、協議し、以下の留意点について当該場所で倉庫業を営むことが可能かどうか検討します。
申請前の留意点

建築基準法・都市計画法上の留意点
その場所で「倉庫業を営む倉庫」として使用できるか確認が必要です。
①地方自治体の建築部局等と事前相談
- 倉庫の設置場所の用途地域について確認
- 開発許可を有しない市街化調整区域は、登録申請が出来ない。
②建築確認申請において、用途が“倉庫業を営む倉庫”となっていること
登録条件

国土交通大臣による登録の要件
申請者等が欠格事由に該当しないこと。
施設設備基準に適合していること
倉庫管理主任者を選任すること
※(一社)日本倉庫協会へ講習会の受講が必要です。
お申し込みは、倉庫管理主任者講習について|一般社団法人 日本倉庫協会へ
2.登録申請書の作成
①建築確認申請書(1面から5面)及び確認済証が必要です。用途の欄が倉庫業を営む倉庫となっているか確認します。
②登録申請書、倉庫明細書、施設設備のチェックリスト
③登記簿謄本(土地・建物など)、建築確認済証(同確認申請書(1面~5面)・完了検査済証
④図面以外の関係書類整備
→警備状況説明書(警備契約書)、構造計算書、平均熱還流率の計算書、照明設備表、消防用設備等検査済証など
⑤図面整備
→付近見取り図、倉庫の配置図、平面図、立面図、断面図、矩計図等、建具表等
⑥倉庫管理主任者の届出書(講習会修了証)、法人登記事項証明書、宣誓書(役員)
⑦倉庫寄託約款(営業を始める30日前までに届出)
⑧料金表(料金の設定又は変更した場合、実施後30日以内に届出)
3.登録申請書の提出
国土交通省のHPにあるチェックリストに従って、提出書類のチェックを行い、チェックリスト表を添えて、申請書を運輸局へ提出します。
4.申請書の審査・完了
書類提出後、運輸局との資料説明、質疑、補正指導などを経て、審査完了後、登録通知書が交付されます。
5.事業開始
登録通知書の交付をもって、事業開始となります。
6.登録免許税の納付
登録免許税を納付書により納付します。
(登録免許税)
・新規登録 → 9万円
・変更登録 → 3万円(倉庫1棟につき)
※変更登録とは、「倉庫の種類、倉庫の施設及び設備、保管する物品など」を変更する場合
7.建物登記簿謄本の提出
建物登記完了後に、建物登記簿謄本を提出します。
倉庫業登録をスムーズに行うために!!
CONSULTING
手続きにかかる期間は
倉庫の建設期間に左右されます!!
最短期間で登録を進めるために、以下の点をご協力ください。
登録申請の
早期依頼

- 倉庫の建築確認申請時点でご相談いただくと、最短で登録が可能です。
役割分担の
明確化

- 事業主様、建設会社、当事務所の三者が連携し、スムーズに手続きを進めます。
当事務所のサポート内容

よくある質問(FAQ)
A
事前準備に1~2か月、申請後約2か月が目安です。通常4か月以上はかかります。
当事務所では、倉庫の建設前にご相談をお願いしておりますので、倉庫の建設と並行して登録申請を行うと、完成時点でほぼ手続きが終了することができます。
計画段階でのご相談をお願いいたします。
A
新規登録には9万円、変更登録(倉庫の増設など)には、倉庫1個当たり3万円の登録免許税がかかります。
また、当事務所の報酬額は、倉庫1登録あたり30万円以上が基本額ですが、複数の倉庫の新設などの場合、大幅に減額されます。また、軽微な届出等は数万円程度です。(個別にご相談に応じます。)
A
倉庫の建設に当たっては、施主(倉庫設置事業者)様と、倉庫建設会社様、及び当藤田行政書士事務所で連携して、現地確認、調査を行うとともに、倉庫の使用目的など3者で協議、検討を行い手続きを行いますので、ご安心ください。
また、倉庫の施設設備基準を満足するよう、“倉庫業を営む倉庫”として建築確認申請を行いますので、確実に倉庫登録ができます。
A
当事務所では、行政書士藤田一志が登録申請手続き全体を責任を持って行います。
倉庫の登記に関しましては、提携している司法書士(及び土地家屋調査士)により、スムーズに登記手続きを行うことができますので、ご安心ください。
倉庫業登録申請に関するお問合せ
お問い合わせ・ご質問・ご依頼は下記フォームよりお願い致します。
内容の確認後、2営業日内に折り返しメール返信させていただきます。
営業・受付時間 9:00~17:00(土・日・祝日除く)
(事前予約の場合は、時間外対応もできます。)
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行政書士には、法律で「守秘義務」が課されていますので、ご記入内容についての秘密は厳守致します。
※営業を目的としたお問合せはご遠慮ください。